ストックホルム条約 その3(環境国際行動計画・The Stockholm Action Plan)

ストックホルム会議で決まった3つ(環境国際行動計画,UNEP,人間環境宣言)の一つである環境国際行動計画は,次のような内容でした。

1 環境国際行動計画
 環境国際行動計画は,国際的な行動を必要とする環境問題が何か,を網羅的に特定する試みでした。
 次の5つの主な分野の中に,106個の優先課題が定められました。
 ① 環境クオリティを維持するための住環境の計画と管理
 ② 天然資源管理の環境的側面への配慮
 ③ 重大な越境汚染の特定と管理
 ④ 環境問題に関する教育,情報,社会,文化の各側面の開拓と強化
 ⑤ 発展と環境への配慮と融合

 行動計画は,グローバルな環境アセスメントプログラム(アースウォッチ)を取り入れました。
 そのプログラムは,生物圏についての情報を継続的に獲得するために不可欠なものです。
 行動計画は,また,その後の国際間の環境合意の発展に大きな影響を及ぼしました。
 例えば,行動計画の課題33は,「政府が,緊急課題として,IWC国際捕鯨委員会)と関係するすべての政府の庇護下において,商業捕鯨の10年間の猶予のための国際合意を提唱する」ことを課題としました。
 IWCは,結局,その禁止を採用することになります。
 行動計画は,絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約ワシントン条約),移動性野生動物種の保全に関する条約(ボン条約)や海洋法に関する国際連合条約において,似たような詳細なアドバイスをしています。